鍼灸の効果・効用
鍼は痛いのか?
鍼治療はツボに鍼を刺して、身体に刺激を与える治療です(刺激のないものは効果が弱い)。
鍼の刺激は、身体の表面にある皮膚感覚の一つである皮膚痛覚によるもの、筋肉や皮下組織にある深部痛覚によるもの、二種類が考えられます。
皮膚痛覚は鋭い痛みで、深部痛覚は局在性に乏しく持続的な鈍痛です。このうち深部痛覚による鈍痛は中医針灸で言われる得気(気を得る・気が通る)と言われるものだと考えられます(まだはっきりとは解明されていない)。この深部痛は鈍い痛みで、鍼の好きな人にとっては気持ちの良い刺激に感じられるのです。
鍼の効果はまだ解明されてない部分が多いのですが、この鍼による刺激は人間に本来備わっている鎮痛システム(A10神経系ードーパミンーβ-エンドルフィン)に作用して疼痛を和らげ、βーエンドルフィンを放出させて心地よい気持ちになるのです。
そして、この鎮痛システムは免疫機能の強化やストレスに対しても効果があります。
結論として、心地よい鍼の痛み(得気)により人間本来の鎮痛システムが作用し疼痛を鎮め、また免疫機能の強化やストレスに対してよりよい効果が得られ、さらに刺針した局部の血行も改善されることにより乳酸などの刺激物も除去され筋肉のこりや痛みも改善されると考えられます。
鍼の効果
| 1.内蔵に刺激 | 身体には気の流れる道である経絡がある。例えば足陽明胃経は足の外側(陽)にある胃につながる経脉であります。この内蔵につながる経脉のツボを刺激することにより、胃に刺激を送ります。内蔵に直接鍼を刺せないので経脉を通じて、停滞している臓器は活発に、亢進している臓器は鎮静させるのです。 |
|---|---|
| 効果 | 内臓疾患に有効 |
| 2.脳に刺激 | 刺激を感じるということは、脳に刺激が伝わったということですが、これにより脳内にβーエンドルフィンが分泌されるということです。普段ストレスを感じている人はこれの分泌が少なく、免疫力が低下し、リラックスできなく、不眠がちで、またマイナス思考になりやすいのです。 |
| 効果 | 心因性疾患、自律神経失調症に有効 |
| 3.筋肉に刺激 | 肩こり、腰痛、緊張性頭痛など、筋肉の拘縮によるこり・疼痛に対して、筋肉の深部に(こり)に直接到達した鍼のひびき(ずーんと重い感覚)は、鍼のピンポイントから広がる広範囲な刺激により筋肉を弛緩し、血管を拡張して血行が改善され、こりの原因である乳酸が除去されて、筋肉の拘縮が改善されるのです。また神経根のまわりの血行や圧迫も改善され神経痛にも効果があります。 |
| 効果 | 肩こり、腰痛、頭痛、神経痛などの痛みに有効 |
鍼の効用
| 調和陰陽 | 鍼灸治療により陰陽のバランスを整え、人体を元の正常な状態に戻す。陰が虚すればそれを補い、陽が亢(強すぎる)すればそれを瀉する。(補陰瀉陽) |
|---|---|
| 扶正去邪 | 扶正とは、病に対する抵抗力を高めることである。去邪とは、病気に致る因素を除去することである。 (人間の内的環境を整えることにより、外の環境に影響されない状態にする。すなわち免疫力の強化、ストレスに影響されない身体を作り、病気を予防するということである。) |
| 疏通経絡 | 人体の経絡は外にあっては身体の四肢末端にまで連絡し、内においては臓腑に属し、気血循環の通路と成す。身体には気の流れる道である経絡があり、その道の要所要所に経穴(ツボ)があります。この気の流れが滞ると、血の流れも停滞して筋肉が拘縮し、こりや痛みが発生するのです。経絡の要所であるツボに刺激を加えて気の流れを元の正常な状態にもどし、筋肉を弛緩させ血管を拡張して、痛みの原因である乳酸を除去することにより、痛み・こりを取り除くのです。また、経絡は内臓にもつながっていて気の流れをスムーズにすることにより内臓の働きを活発にして病気を予防または治癒させるのです。(疎通経絡) |

